ガーデニングの基礎
ガーデニングしたい!しかし、ガーデニングするにしても、知っておきたい基本的なことがあります。それをまとめてみました。
ガーデニングは植物を育てる作業なので、苗・種・球根の選び方、光、気温・温度、土、肥料、虫、病気、手入れ(水、摘み取り、その他)などがポイントとなります。そして、花後の手入れもあります。さらに、必要な道具も紹介します。
1、苗・種・球根の選び方
良い花を咲かせるには、良い苗を選びます。良い苗とは、全体にしっかりしていて、株元からよく分枝して葉の色が濃いものです。なお、事前にその植物の生育の仕方を知っておくことも大切です。
種・球根は、秋植えのものの場合、球根が大きくしっかりしているもので、病害虫の被害のないものを選びます。春植えは、大きさはあまり気にしなくて良く、芽の有無の確認と病害虫の被害のないものを選びます。
2、光
植物にとって光は、人間が食事をするのと同じで、なくてはならないエネルギーの元です。体を大きくしたり、花や実をつけるためには、呼吸で消費する以上に光合成をしなければいけません。植物は、種類によって必要な光の量が異なります。よって、その植物に合った光の環境に置くことが大事です。不足しても、多すぎても影響があるということです。 注意したいのは、室内の場合、私たちが明るいと感じていても、そこには植物が利用している青や赤の波長があまり含まれていないため、光不足の症状を出すことがあります。不足している場合は、植物は下葉を落とし行き、体を小さくし、呼吸による消耗を押さえようとします。その結果、茎は徒長して間延びします。逆に光が多いと、葉色が薄くなったり、葉焼けを起こしたりします。
しかしながら、植物も自分の置かれた環境に順応しようとします。その際、特に注意しなければいけないのは、急激な環境変化です。いきなり暗いところに置いてみたり、逆に明るいところに置いてみたり、ということです。環境に順化できず、葉がパラパラと落ちたり、葉焼けを起こしたりして、観賞価値が落ちたり、枯死することがあります。
さらに花をつけるためにも、光は重要です。光が当たらない葉が増えると、呼吸による消耗が多くなり、葉っぱに対する光の量が、足りなくなります。花が咲くためには、葉っぱ1枚当たりの光の量が大切なのです。花木で込み合った枝を透かしてやるのは、実は、花をつけるためにも重要な作業なんです。
3、気温、温度
植物も生き物であり、元々の生育環境も違うので、最適な温度があります。例えば、観葉植物や洋ランの一部は熱帯性なので、冬は屋内に取り込んだり、加温したりする必要があったりします。また、日本出身でも高山性のものなどは、夏はできるだけ涼しい場所に移してやるなど工夫も必要です。
鉢植えの場合、地植えよりも温度の影響が受けやすいです。つまり、鉢の全面、根の周囲など全てから影響を受けます。そのため、土の温度が上がると、含まれている水の温度も高くなり、水中に含まれる酸素が減ります。すると根は呼吸困難になり、水が吸いにくくなります。水をやっているのにしおれるという現象は、その例です。その場合、水はけの良い土にして、空気が入りやすくするのも一つの手です。また、テラコッタなど素焼き鉢に植えると鉢の表面から気化熱が奪われるので、鉢を変えてみるのもひとつの手です。
さらに、場所も工夫してみることです。同じ庭、ベランダと言えども、場所によっては、気温が違います。夏、地面に近いところでは気温が低くなりますし、風が通るかどうかも重要です。冬は上に何も無くて、空が見えるようなところでは、気温がよく下がります。
自分の庭の環境を把握することが、大事です。
4、土
選び方のポイントとしては、重量、空気の含有、水分保持、排水性、酸度、肥料もちなどです。
重量としては、土の役割の一つは、植物の体を支えることです。よって、軽すぎる土は、風などで植物がふらふらし、傷をつけることになります。
空気の含有については、植物の根は呼吸しており、よって土の中に空気を含む空間が必要だということです。
水分保持は、水やりの頻度とも関係してくるということです。
排水性は、これが悪いと、鉢の中が水浸しになり、根が呼吸できず、根ぐされにもつながってきます。
酸度に関しては、植物により最適なPHは異なります。高くても、低くても、植物の生長に害があります。
肥料もちに関しては、雨や水やりなどで、肥料は流出します。よって土には肥料をつかんでおく必要があります。なお、植物によって必要とされる肥料の量が違ってくるので、土の肥料に対するもち具合も違ってきます。
ともかく、土は人間で言えば、家のようなものなので、住み心地の良い土を用意することが大切です。
5、肥料
上手に植物が吸収すれば、株の大きさ、花つき、実つきなど、素晴らしいものになります。
肥料を見る時のポイントとしては、原料、成分バランス、形態、効き方などがあります。
肥料には大きく分けると、有機質肥料と無機質肥料があります。有機質肥料は、動物質、植物質のものが原料です。肥料の3要素(窒素、リン酸、カリ)の成分含有量としては少なく、肥料あたり(肥料が濃厚に溶け出すために根がやられてしまうこと)がありません。また、土をフカフカにする効果もあります。ただし、未発酵のものは根に障害を与えるので、醗酵させてから使用します。無機質肥料は、化学的に作られた肥料です。無機質肥料の中で、最も利用されているのは、肥料の3要素をバランス良く含んだ化成肥料です。
肥料の成分表示を見ると、数字が3つ並んでいます。これは左から窒素、リン酸、カリの各々の含有%です。チッソは葉肥、リンは実(花)肥、カリは根肥えと言われています。もし、選択に迷った時には、バランスよく含まれているものにすればよいでしょう。
形態としては、液体、粉状、粒状、錠剤、棒状、色々あります。粒の大きさが小さくなればなるほど速く効きます。
効き方には、緩効性、遅効性、速効性などの特徴があります。緩効性とは、一度与えると、その効果が長時間、穏やかに効き続けるタイプで、元肥えとして施すのに、適しています。遅効性とは、有機質肥料がこれに相当し、植物に吸収されるまでに時間が掛かり、その後ゆっくりとその成分が効くタイプです。
こちらも元肥えとして施すのに、適しています。速効性は、与えるとすぐに効くタイプで、効果は長続きしないので、追肥として与えます。
実際に与える時のポイントとしては、その時が植物にとって、どのような状態かを見ることが大切だということです。どんどん生長している、または次々と花を咲かせている時は肥料がいります。一方、高温または低音で休眠している時は、肥料はほとんど入りません。また、植え替え後で、少し弱っていたり、根ぐされになっている時は、肥料はやらないで下さい。生長や、次々と花を咲かせている時に肥料が切れていたら、葉が薄くなります。この兆候が見られたら、追肥をします。液肥は速効性肥料ということで効果的で、薄いものを頻繁に与えることで、肥料あたりもせず、葉色が戻って来ます。しかし、液肥は持続性が無いので、心配なら緩効性の肥料を鉢の上に置いておくと良いです。根ぐされの時などは、植物は肥料を吸うどころではありません。
6、病気、虫
病気の種類には、カビ、細菌、ウィルスなどがあります。まずカビですが、病気の多くの原因はカビです。症状としては、しおれ、枯死、じめじめとした腐敗、斑点、変色などがあります。ジメジメとした湿気の多い時期は、注意が必要です。細菌は、しおれ、斑点、腐敗などの症状があります。園芸作業、強風、虫に食べられた傷、気孔などから進入します。気温25~30度で繁殖しやすく、水により広がるので、暑くて湿気が高い時は、要注意です。ウィルスは、症状としては、葉に淡黄色の不鮮明な斑紋が出たり、奇形、組織の一部が死んでしまうなどの現象が挙げられます。ウィルスに感染した株を触った手で、健全な株の葉を触ったり、はさみを使いまわすと、感染します。また、アブラムシなどの虫も媒介します。
これらの対策として一番大事なことは、風通しを良くして、湿度を上げないことです。そして、病気にかかりにくい体質作りです。そのためにも、育てる環境が大事になって来ます。一度病気になってしまった株を治療することは、とても難しく、症状が出た時は、かなりその症状が進んだ段階です。もし、病気になってしまったら、症状が出た葉、または株ごとを焼き捨て、広がらないようにしないといけなくなります。
虫には、葉をかじる虫と、汁を吸う虫がいます。ケムシ、イモムシ、ハマキムシ、コガネムシ、ハムシ、ゾウムシ、ナメクジ・カタツムリなどは葉をかじる虫で、見つけたら捕殺するのが一番です。殺虫剤としては、体に薬がかかる、または薬のついた上を歩いて死ぬ接触剤、薬のついた葉を食べて死ぬ食毒剤があります。ナメクジ・カタツムリには専用の薬があります。
アブラムシ、グンバイムシ、コナジラミ、スリップス、カイガラムシなどは、汁を吸う虫です。鉢ものや、小さい草木に対しては薬を株元にまいておけば、植物が吸い、その葉や茎の汁を吸った虫が死ぬ浸透性殺虫剤が便利です。 ただし、ダニは専用の薬をまく必要があります。
薬を使わない方法としては、先程の捕殺もそうですが、そのほかにもいろいろあります。
まず、植物の種類が増えると、いろんな菌や集まってくる虫の種類も多くなります。その中には、お互いに天敵同士であったり、病原菌を抑制する菌なども含まれます。またハーブやスパイスの中には、殺菌効果や虫が嫌う臭いを出すものもあり、これらを一緒に植えるという方法もあります。土自体を改良することも一つの方法です。長年植物を育てている土の表層部は病気や害虫が多く残存しています。下層部は、これらの影響をあまり受けていません。よって、土の表層部と下層部を入れ替えます。
7、手入れ(水、摘み取り、その他)
水やりのポイントとしては、生育状況に合わせて与える、鉢の底から流れ出るまで与えるなどです。
水は、植物の成長期にはたくさん必要です。実をつけるようなものは、実が太る時に水が切れると、しぼんで落ちてしまいます。逆に、休眠期には、あまり水は必要ありません。与える際ですが、しっかり与えないと、根が乾いてしまいます。しっかり与えることで、鉢の中の老廃物が流れ出し、空気が入れ替わります。夏などは、水により鉢の中の温度が下がります。植え替えてすぐは、土を落ち着かせ、みじんが抜ける、などの効果があります。
季節的な注意点としては、夏に言えることは、日中は水が切れないようにすることです。光合成が盛んな時に、水が切れてしおれてくると、光合成がストップし、生長にダメージを与えます。また枯れる原因ともなります。夕方与える場合、ホースから出したものをいきなり与えると、日中の気温で熱湯が出る場合があります。水を出して、冷たくなってから与えて下さい。冬は、温室などで育っているものは、水が必要ですが、基本的にはあまり与えません。ただし、土がからからに乾くと、土に水分を奪われてしまうので、乾いたら水を与えて下さい。植物自体は水やりを控えることで、耐寒性を増すので、目安としては、少ししおれそうなぐらいで、水をやるとよいです。また、夜間は冷え込むので、朝、水をやるようにします。
水をやってもしおれている場合ですが、根ぐされが、考えられる場合があります。その時は、受け皿に水をためっぱなしにしている、土の排水性、通気性が良くないなどの原因が考えられます。排水性、通気性が問題の時は、植物を抜いてみて、根の腐った部分を取り除き、地上部も刈り込むなど小さくして、排水性、通気性の良い土に植え替え、涼しい日陰で様子を見ることです。
花がらの摘み取りに関しては、花が咲き終わったら、早めに摘み取ります。そのままにしておくと、落ちた花がらが腐ったり、害虫の棲家になります。パンジーなどのタネができやすく開花期間の長い植物は、花がらをそのままにしておくと、タネができて株が弱りやすく、花つきも悪くなります。
摘心・切り戻しは、たくさんの花をバランス良く咲かせるためにも大切な作業です。
丈が高く生長する植物は、そのままの場合草丈は伸びますが、株数が増えないため、全体的にボリューム感が乏しくなります。そこで、小さな苗の頃に一番上の芽を摘み取ります。それにより、わき芽が出て、よく分枝し、ボリューム感がある株になります。
切り戻しとは、植物の草丈や樹高が高くなり茎や枝が乱雑に伸びて来た時、見た目を整えるために行う枝の切り詰めです。霧戻しの必要な植物は、よく分枝して生育がよく、生長が早い性質を持ったものとなります。また、この作業は新しく強い枝を出す目的でも行われます。
8、花後の手入れ
花後の作業は、草花の生育の種類によって作業が異なります。一年草、二年草、多年草、宿根草、球根植物などの種類に応じて作業を行います。
一年草や二年草は花が終わったら枯れてしまい、そのまま残るだけなので、抜き取ります。株を抜きとった後は、腐葉土などを入れて耕し、次の苗を植えつけます。また、株を抜きとらずにタネを採取して、そのタネをまいて育てることも出来ます。しかし、販売されている苗の多くは、品種改良のタネから育てられたようなので、前の花にくらべ、性質が劣る花になることも多いようです
多年草と宿根草は、長い期間植えたままにいていると、株の中心が枯れたりして生育が悪くなったりします。植えつけて2、3年したら一度堀りあげます。堀りあげたあとは、堆肥や腐葉土などを入れて耕し、傷んだ葉や根などをとり除き大きくなった株は株分けをして植え戻します。こうすることで、新芽の生育を促進することができます。また、株分けは、芽の数が多く大きな株を1株に2、3芽がつくように分けます。
秋植え球根の多くは、花が咲き終わりましたら早めに花柄を摘みとり、追肥を与えて球根を太らせます。葉が緑色のうちは追肥を与えて、葉が黄色になりかけたときには追肥をやめます。そして、葉全体が黄色になって倒れたら晴天が続くのを待ってから球根を掘りあげます。また、春植え球根の多くは、開花期間も長いため開花中は追肥を与え続けます。秋になり葉が黄変したところで掘りあげます。秋植え、春植えともに球根を掘りあげたら、よく乾かして土や枯れた葉茎を取り除き、涼しい日陰で保存します。
9、道具
最低限、土を耕したり、混ぜたりするための道具としてスコップ、水まきの道具としてジョウロ、切るための道具として剪定ばさみ、そして軍手があると良いです。初めての方は、鉢も用意して、鉢植えから始めると良いでしょう。地植えでも良いですが、土の掘り起こし、土壌調整という作業が入って来ます。また、種より花苗から育てた方が無難です。
なお、株選びをするときには、新芽が元気にのびている、葉の一部が枯れたりしていない、茎が太く、がっちりしている、株元がぐらつかないなどの条件を兼ね備えた、健康状態のよい株を選ぶと良いです。